「田沢湖/秋田県」
2022年12月09日
田沢湖(たざわこ)は、秋田県仙北市にある淡水湖。一級河川の雄物川水系に属する。日本で最も深い湖であり、日本で19番目に広い湖沼である。その全域が「田沢湖抱返り(だきがえり)県立自然公園」に指定されており、日本百景にも選ばれている景勝地である。1956年(昭和31年)から2005年(平成17年)まで存在した自治体である田沢湖町の名の由来であり、現在も旧田沢湖町の区域の地名冠称として使われている。秋田県の中東部に位置する。円形で直径は約6km、最大深度は423.4mで日本第1位(第二位は支笏湖(しこつこ)、第三位は十和田湖)、世界では17番目に深い湖である。世界で最も深い湖であるバイカル湖になぞらえて「日本のバイカル湖」とも呼ばれる。湖面標高は249mであるため、最深部の湖底は海面下174.4mということになる。真冬でも湖面が凍り付くことはない。流入河川は小規模な沢しかなく、豊富な水量は湖底の湧水が支えているものと考えられている。流出河川は西部の潟尻川で、桧木内川(ひのきないがわ)・玉川を経て雄物川に合流する。人工の水路としては、北部に玉川から田沢湖発電所を経由する流入路、北東部に先達川(玉川支流)からの流入路、南東部に生保内(おぼない)発電所を経由して玉川への流出路が存在する。成因として、過去には隕石クレーター説なども検討されたことがあるが、調査の結果、180万年前から140万年前の爆発的噴火によるカルデラとの説が有力である。しかし田沢湖の容積分の噴出物がどこに行ったのかが未解決の問題として残されており、田沢湖をカルデラと呼ぶかどうかは専門家の間でも意見が分かれるところである。なお、湖底には辰子堆(比高100-300 m)と振興堆(比高250 m)の2つの溶岩ドーム(火山から粘度の高い水飴状の溶岩が押し出されてできた、ほぼドーム状の地形をいう。上からみると、おおよそ円形に見え、地上から見ると土饅頭、あるいは円墳のような外観を成した隆起を成す。)があることが分かっている。湖畔には民間伝承に基づき舟越保武作の「たつこ像」が建てられ、辰子が竜になるきっかけとなった水を飲んだ場所と言われる湖の北岸には御座石(ござのいし)神社が建てられている。湖畔を周回する県道が3路線整備され、周辺にはみやげ店、温泉旅館、ホテルなどが数多く営業している。羽後交通興業が4月から11月まで遊覧船を運航しており、レストハウスの営業を行っている。足こぎボートなどの貸出も行われているほか、湖畔の一部箇所では湖水浴場として認められており、海水浴場と同様の利用が可能となっている。