「クーラカンリ/中国(チベット自治区)」

2022年10月13日

クーラカンリ (Kula Kangri) は、数多くの権威ある典拠でブータンの最高峰とされている一方、全域が中国(チベット自治区)に含まれているとする異論もある山。標高は7,538m。初登頂は、1986年(昭和61年)の日中合同隊によるものである。この山は、ヒマラヤ山脈にも、ブータン・ヒマラヤにも含まれる。中国と日本の専門家は、近傍のガンカー・プンスムの方がより標高が高いとも主張している。また、クーラカンリがブータン領内、ないし、国境上にあるという主張にも異論が出されている。「クーラカンリ」は、チベット語で「天帝の峰」を意味する。クーラカンリは1922年(大正11年)に最初の測量が行なわれて地図に記載され、1958年(昭和33年)には中尾佐助が周辺を調査してチベット領内に位置していると報告した。1986年(昭和61年)、神戸大学登山隊を中心とした日中共同隊が、主峰 (7,538m) の初登頂に成功。2001年(平成13年)には、東海大学・チベット大学クーラカンリ友好学術登山隊が、中央峰 (7,418m) と東峰 (7,381m) の初登頂に成功した。この登山隊は、この年の日本スポーツ大賞で「優秀団体」に選ばれている。2008年(平成20年)には、登攀中の日本隊を標高6000m付近で発生した雪崩が襲い、3人の死者を出した同隊は撤退した。

 

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