「ルウェンゾリ/ウガンダ・コンゴ」

2022年09月23日

ルウェンゾリ(Ruwenzori Mountains)は、アフリカ中部、ウガンダとコンゴの国境に位置する山地。小規模ながらも壮観な光景を持つ。最高峰の標高は5,109mである。ルウェンゾリの山頂付近は赤道直下にもかかわらず万年雪を冠しているが、アフリカ大陸で万年雪を戴くのはキリマンジャロとケニア山、そしてこのルウェンゾリだけである。ルウェンゾリのほとんどは、「ルウェンゾリ山地国立公園」(ウガンダ)、「ヴィルンガ国立公園」(コンゴ)として世界遺産に登録されている。ルウェンゾリ山地は、アフリカ大地溝帯に属する西リフト・バレーの側面が隆起したことによって形成された。山地の長さは約120km、幅65kmである。この山地は、深い峡谷に区切られた6つの山塊から成り立っている。・スタンリー山群 (Mount Stanley 5,109m) ・スピーク山群 (Mount Speke 4,890m) ・ベイカー山群 (Mount Baker 4,843m)・エミン山群 (Mount Emin 4,798m) ・ゲッシ山群 (Mount Gessi 4,715m) ・ルイジ・ディ・サヴォイア山群 (Mount Luigi di Savoia 4,627m)。スタンリー山群は最高峰であり、特にいくつかある山頂の中のマルゲリータ峰が標高5,109mとなっている。300万年前のプレート運動で傾斜し、上方へ圧縮して片麻岩や花崗岩からなる山体ができたと考えられている。ルウェンゾリ山地は、熱帯雨林から高山草原、さらに雪原と、非常に多彩な植生を持つ山地であることが知られている。この山地は、すっぽりと雲に覆われていることから、非常に湿潤な地域になっている。苔(コケ)に覆われた一部の地域には、6mにもなるヒースが生えていることで知られている。また、森林ゾウやいくつかの霊長類、固有種の鳥類など、多彩な植生と調和している個性的な動物相もまた優れたものである。ad150年頃、プトレマイオスが『ゲオグラフィア』(地理学)の中で、ナイル川の源流について記録した文章にあらわれる「月の山脈」(Lunae Montes)にルウェンゾリ山地が比定されることがしばしばある。しかし、そう決め付けるには、元の記述が曖昧に過ぎる。この山地を最初に目撃したヨーロッパ人は探検家のヘンリー・モートン・スタンレーで、1889年(明治22年)であった。それ以前の20年ほどの間に目撃しうる立場にいた探検家たちは、山地が前述の雲に覆われていたことから視認できなかった。1889年6月、探検隊の副司令官で軍治責任者であったウィリアム・グラント・ステアーズが、10,677フィート地点に辿り着き、非アフリカ人として最初の登山者となった。最初の登頂者は1906年に成功したルイージ・アメデーオ・ディ・サヴォイアである。

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