「マッシャーブルム/パキスタン」

2022年08月30日

マッシャーブルム(Masherbrum)は、パキスタンの山。通称「K1」。カラコルム山脈のマッシャーブルム山群に属し、標高は7,821mと世界22位、パキスタン国内では11位の高さである。名称の由来は明らかではない。二つある山頂を前装式の古い銃に見立ててmashadar(前装銃)とbrum(山)の合成とする説のほか、masha(貴婦人)とbrumの合成とする説などがあるが確たることは不明である。カラコルム山脈中心部を流れ、同山脈の8000m級の峰々への登頂ルートやトレッキングコースとして広く用いられるバルトロ氷河の南部に位置する。南にはフーシェ谷があり、同じくマッシャーブルム登頂のルートにもされる。マッシャーブルムの存在をヨーロッパ人が初めて認識したのは1856年の事である。インド測量局のトーマス・ジョージ・モンゴメリーがカラコルム山脈を測量した際に高峰に気づき、カラコルムの1号峰としてK1と名付けた。しかし現地住民にはマッシャーブルムとして知られており、現代でもこの名が使われている。1911年になるとワークマン夫妻によって踏査され、さらに1938年には南からのルートで登頂が試みられた。しかしこの際は山頂を目前にして失敗している。その後1955年と1957年の登頂失敗を経て、1960年にクリンチを隊長とするアメリカ・パキスタン合同隊により、過去何度も登山者を退けた南東壁を通るルートでの登頂が達成された。現在では北西壁ルートと北西稜・北壁ルートによる登頂を含む3回の登頂成功が報告されている。

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