「馬刺し/熊本県」
2023年11月03日
「農山漁村の郷土料理百選」シリーズ
第八十六話 11月3日は「馬刺し/熊本県」
馬刺し(ばさし)とは、馬の肉を薄く切って生で食べる日本料理。「馬肉の刺身」の略称である。
馬刺しには、大別して「トロ」や「霜降り」、「赤身」があり、また一頭あたりから採れる量が少ないので珍重される「タテガミ刺し」や 「こうね(タテガミの脂)」のほか、匂いがほとんどない「レバ刺し」や「タン刺し」などもある。「トロ」と呼ばれる部分は、バラ肉の 極上部位であり、赤身に霜がふっている部分を「霜降り」と呼ぶ。また、馬の肩からアバラにかけて広がる 3 層肉は「ふたえご」と呼ば れ、コリコリとした食感がある。流通は、冷蔵のほか、食中毒防止などの観点から冷凍でも行われている。馬刺しは、おろしショウガやお ろしニンニク、刻みネギなどを薬味にして醤油につけて食べるのが一般的である。福島県会津地方では薬味ににんにく辛子味噌を使って食 べるのが普及している。 また、馬刺しや炙った馬刺しをのせた寿司も親しまれ、回転ずしなどでも見かけるようになった。牛と異なり馬肉の油脂の融点は低く、口内の温度でも十分溶けるため、霜降り肉でも刺身で美味しく食べられる。ほかに小さく刻んだ馬肉を少しの醤油 と納豆とあわせて食べる桜納豆がある。赤身肉に人口で「さし」を入れて霜降り肉とした肉も流通している。