「かに汁/鳥取県」
2023年09月08日
かに汁は、松葉がに(ズワイガニ)の本場、鳥取県での冬の味覚で、鳥取県の郷土料理の一つ。 松葉がにのメスは「セイコ蟹」と呼ば れる。かに汁にメス蟹を使う理由は、その卵が持つ独特のうまみが味噌汁に適しているからと言われている。ちなみにかに汁は漁師料理と して作られたのが発祥である言われている。毎年、松葉がにが旬の、11 月から 1 月に鳥取県各地で開催されるイベントの代表的なメニュ ーとしてかに汁が作られる。そのようなイベントでは、アツアツのかに汁を求める長い行列が出来る。かに汁は冬の日常的な家庭料理とし ても、鳥取県が誇る季節的な伝統料理となっている。かに汁の材料は、セイコ蟹、味噌と大根という至ってシンプル。かに汁の作り方もシ
ンプルで、セイコ蟹をばらして、ボウルに入れる。なお、この時には包丁で殻に切れ目を入れると、より一層蟹の旨みが出る。また、胴体 の黒い箇所は外す。拍子切りにした大根をボウルに入れ、水が入った鍋に、蟹と大根を入れて、中火で熱し、あく取りをする。大根の歯ご たえが残るのを目安に火を止めて、味噌を溶き入れれば美味なかに汁の出来上がり。調理のコツとしては、素材次第だから鮮度のいい蟹で あることと、蟹の旨みがポイントなので、甘みが出る白菜などは入れないで、旨みを吸ってくれる大根オンリーにすること。つまり、かに 汁は松葉がにのうま味が勝負だから、それを消してしまうような具はあえて使わないことが、かに汁を美味しく食するコツになる。松葉がにとかに汁で全国的に有名な鳥取県の出身者を見ると、キリンビールの創始者である磯野長蔵は倉吉市の出身。事業家としてはアシックス 創業者の鬼塚喜八郎も鳥取市出身。