「K2/パキスタン」
2022年08月19日
K2(ケイツー)は、カラコルム山脈にある山。標高は8,611mで、エベレストに次ぐ世界第2位の高さである。パキスタンのギルギット・バルティスタン州(インドの主張によればインドカシミールのパキスタン占領地)と、中国のウイグル自治区との国境に位置する。K2という頭文字は「Karakoram No.2」 、つまり「カラコルム山脈測量番号2号」を意味する。パキスタンの最高峰であり、カラコルム山脈の最高峰でもある。世界第2位の高峰であるにも関わらず、人里から遠く離れた奥地にあるため、19世紀末まで、ほとんど人々に存在を知られることもなく、名前さえも無かった。イギリス統治時代のインド測量局のトーマス・ジョージ・モンゴメリーが1856年からカラコルム山系の測量を始めた際に、特に標高が高い山々にカラコルム(Karakoram) の頭文字「K」を取って順に、K1, K2, K3, K4, K5 と測量番号を付けた。その後、K2以外の山には、新たに名前が付けられたり、現地の名前が採用されたりしたが、K2だけは測量番号がそのまま山名に残った。ほとんどの登山者は、中国側(北側)からアプローチするのは困難なため、パキスタン側からアプローチする。登頂の難しさでは世界最高峰のエベレスト(標高8,848m)よりも上で、世界一登ることが難しい山とも言われる。その理由として、人が住む集落から遠く離れた奥地に存在する(最も近い村でさえ直線距離で約80kmも離れている)ことによるアプローチの困難さ、エベレストよりも厳しい気候条件、急峻な山容による雪崩、滑落の危険性などが挙げられる。K2登山に関しては一般的なルートでさえ、エベレストのバリエーションルートに匹敵すると言われる。これらの困難さから、全部で14座ある8,000m峰の中で最後の冬季未登頂峰であったが、2021年(令和3年)1月、ネパール登山隊によって初めて達成された。遭難者の数も多く、2012年3月までの時点で登頂者数306人に対し、死亡者数は81人に達する。チャールズ・ハウストン、ロバート・ベイツ共著の書籍のタイトルから「非情の山」とも呼ばれる。