「チンボラッソ/エクアドル」

2022年08月17日

チンボラッソ(Volcán Chimborazo)は、エクアドル中央のチンボラッソ県にあるアンデス山脈の火山。首都キトから南南西に150kmの位置にある。エクアドルの最高峰であり、山頂は地球の表面上で最も地球の中心から離れた地域にある。山名は現地語で「青い雪」を意味する。海抜高度で見た場合世界一高い山はエベレストであるが、赤道地域の方がエベレストのある場所(北緯28度)よりも地球の半径が大きく水面も高い。このため、標高ではチンボラッソの6,268mよりエベレストのほうが約2,580m高いが、地球の中心からの距離ではチンボラッソが約6,384.4km、エベレストが6,382.3kmとなり、約2.1kmチンボラッソの方が離れている。安山岩・デイサイト質の成層火山で、直近の噴火は西暦400~700年の間にあったと考えられる。19世紀初頭まで、地球で一番高い山だと考えられており、17世紀から18世紀にかけて、多くの人たちが登頂に挑戦している。1802年に、南米を調査中であったアレクサンダー・フォン・シーボルト達が登頂に挑戦している。彼らは5,875m地点まで到達したが、高山病にかかった者が何人かいたためそこで引き返している。これは、当時のヨーロッパ人が到達した最も高い地点である。最終的にこの山は、イギリスのエドワード・ウィンパーとその弟らによって1880年(明治13年)に登頂された。この登頂を疑う評論家は何人かいたが、同じ年にエクアドルのダビット・ベルトランとフランシスコ・カンパーナと共に再度登頂に成功している。チンボラッソの氷河は、国内のチンボラッソ県やボリバール県の水源になっている。2005年(平成17年)の夏に、都市部において深刻な水不足が起こったが、これは、氷河が著しく後退したためと考えられている。フランスの研究者によれば、アンデス高地の氷河の溶ける量は加速度的に増えており、大部分は近いうちに溶けてしまうと予想される。そうなれば、キト、リマ、ラパスなどの氷河の水に依存している諸都市は深刻な給水問題と戦うことになる。

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