「ワスカラン/ペルー」
2022年08月11日
ワスカラン(Huascarán)は、ペルー中部、アンデスのブランカ山脈にある山。ペルーの最高峰であり、また地球上の熱帯地域での最高峰でもある。西半球で6番目に高い山でもある。初登頂は1932年(昭和7年)のドイツ-オーストリア隊である。アンデス山脈に位置し、山形は北峰(標高6,655m)と南峰(標高6,768m)の2つの山塊に分かれている。この山は過去2度にわたり大災害を引き起こしていることでも有名。一度目は、1962年(昭和37年)1月、急激に気温が上昇したことにより氷河が割れ、大規模な岩屑なだれ(火山などに代表される脆弱な地質条件の山体の一部が地震や噴火、深層風化などが引き金となって大規模な崩壊を起こす現象。)が発生し、約6,000人が死亡。山麓のランライルカでは約3,500人が死亡し、壊滅的な被害を受けた。二度目は、1970年(昭和45年)5月に発生したアンカシュ地震で、ワスカランの北峰で大規模な地すべりを起こし、氷河と共に崩落。約15,000,000㎥の氷塊と土砂が3,000mの高さから、時速300kmで麓にあるユンガイの集落を襲った。当時の人口約18,000人であったが、そのほとんどが死亡した。ペルー政府は、ユンガイの地を国有化して掘り返すことを禁止。旧市街から南に約2kmの場所に新しいユンガイの町を建設した。