ブログ詳細

2024年01月23日

『Shall we ダンス?』(シャル ウィ ダンス?)は、1996年(平成8年)公開のロマンチックコメディ映画。監督・脚本、周防(すお)正行。主演、役所広司・草刈民代。

社交ダンス教室を舞台としたコメディ。日本アカデミー賞独占をはじめ数々の映画賞に輝いた。配給収入は16億円で1996年の日本映画第2位を記録。本作の人気を受け、日本では「時代遅れ」と思われがちであった社交ダンスが見直され新たなブームとなった。

世界19か国で公開され高い評価を得ており、アメリカでは200万人を動員、興行収入は約950万ドルを記録し、当時のアニメ映画を除く米国での日本映画の興行収入記録を作った。2004年(平成16年)にアメリカで『Shall We Dance?』のタイトルで、リチャード・ギア、ジェニファー・ロペスらが出演するアメリカ版のリメイク作品が製作されている。

物語のあらすじは、

東京のボタン会社の経理課長である杉山正平(役所広司)は妻の昌子(原日出子)、娘の千景(仲村綾乃)との三人暮らし。真面目な性格で遅くまで飲み歩くこともない。郊外に庭付きの家を買い、仕事にも家庭にも何の不満もないはずだが、心の奥には満ち足りない何かがあった。ある夜正平は、小さなダンス教室の窓辺に佇む女性(草刈民代)を電車の窓から見てその美しさに心を惹かれる。数日後、思い切ってそのダンス教室を訪れ、彼女がここのダンス講師であることを知ると、家族には内緒で社交ダンスを習い始める。グループレッスンの指導はあこがれていた岸川舞ではなく、ベテランのたま子先生(草村礼子)の担当だったので当てが外れるが、同時に入会した服部(徳井優)や田中(田口浩正)と親しくなり、長年通っている高橋豊子(渡辺えり、当時は渡辺えり子)の押しの強さに圧倒されながらも、優しいたま子先生の指導を受けながら社交ダンスにのめり込んでいく。しかしある夜、舞を食事に誘うと、安易な気持ちでここに来てほしくないと厳しくたしなめられてしまう。舞は世界大会にも出場した一流のダンサーだったが、今はこの小さなダンス教室の経営者である父(森山周一郎)に言われていやいや講師をしているのだった。ある日、正平はダンス教室で会社の同僚の青木(竹中直人)と顔をあわせ、お互いに驚く。青木は会社では仕事のできない変わり者として部下にも馬鹿にされているが、誰にも内緒で続けているダンスには人一倍熱心。ただ人づきあいが下手でパートナーに恵まれない。急に夫の帰宅が遅くなったことを心配した正平の妻は、三輪(柄本明)の探偵事務所を訪れて調査を依頼する。やがて夫がダンス教室に通っていることを知ると、浮気などではなかったことにほっとしながらも驚く。真面目な夫と社交ダンスが妻の心の中では結びつかない。たま子先生の勧めで正平は豊子とペアを組み、東関東アマチュアスポーツ大会に出場することになり、その指導は舞が行うことになった。豊子に文句を言われながらも熱心に練習を続ける正平の姿に、舞の心の中にもダンスに対する情熱が蘇ってくる。大会当日、正平は緊張しながらも見事なダンスを披露する。ところが観客席には、探偵の三輪に勧められ、正平には内緒で彼のダンスを見に来ていた妻と娘がいた。娘が思わずかけた声援によって家族が来ていることを知った正平はひどくうろたえる。しかもその直後、他のダンサーとぶつかるアクシデントでパートナーの豊子に恥をかかせてしまい、ダンスも中断せざるを得なくなってしまう。大会後、正平はダンスをやめようと決め、教室にも行かなくなっていた。ある日、正平の家を青木と豊子が訪問し、ダンスを続けてほしいこと、舞が教室を辞めて海外で再び社交ダンスをする決意をしたことを告げ、舞のお別れパーティーに出席してほしいと伝えて、舞からの手紙を正平に渡す。手紙には舞の過去のつらい経験と、正平と出会ってからの心境の変化が優しい言葉でつづられていた。それでもダンスを再開する気持ちにならず、どこか機嫌の悪い正平はパーティー前夜、ダンスを続けて生き生きと過ごしてほしいと言う妻につい当たってしまうが、娘にかけられた言葉で我に返り、妻に謝罪する。舞のお別れパーティーが始まった頃、会場に向かう決心がつかない正平はパチンコ店で時間を潰していた。しかし、帰宅するつもりで乗った電車からダンス教室を見上げると、窓には「Shall we ダンス? 杉山さん」というメッセージが貼られている。パーティーが終わりに近づき、舞のラストダンスの相手を舞自身が選ぶことになったその瞬間、会場にスーツ姿の正平が現れる。舞は笑顔で正平に近づくと、「Shall we dance?」と声をかけるのだった。