「きりたんぽ鍋/秋田県」

2023年05月18日

第十話 5月18日は「きりたんぽ鍋/秋田県」

きりたんぽ(切蒲英、切短穂)とは、つぶしたうるち米のご飯を杉の棒に先端から包むように巻き付けて焼いたたんぽ餅を、棒から外して食べやすく切った食品。鶏(比内地鶏)がらのだし汁汁に入れて煮込んだり、味噌を付けて焼いたりして食べる。「きりたんぽ鍋」は、鶏(比内地鶏)のガラでとった出汁をベースに濃口醤油、日本酒、砂糖(または味醂)で醤油味のスープを作る。ゴボウ、マイタケ(金茸、銀茸)、比内地鶏など煮えにくい素材から順に入れ、中火で煮立てる。きりたんぽとネギを入れ、味が染みる直前でセリを入れる。セリに火が通ったら完成。比内地鶏が品種開発される以前は、出汁には比内鶏を用いていた。比内地鶏が手に入らない場合はブロイラーのトリガラ、もも肉、鶏皮、ネクタイ(首の肉)で代用すると良い味が出る。具材について基本はゴボウ、鶏肉、マイタケ、ネギ、たんぽ、セリの6種 である。入れてはならないとされるものが存在し、シイタケはその代表格で、キノコはシメジかマイタケを使い、他に糸こんにゃくも用いない 。但し現在は特に都心部の店舗や通信販売などを中心に、これらの食材を用いてきりたんぽ鍋を供している場合もある。うるち米を素材とするきりたんぽは長時間煮ると形が崩れるため、食せる状態まで煮たら早めに鍋から引き上げ食べる事が望ましい。特におみやげ品として売られているきりたんぽには、繋ぎとして米粉が混ぜ込まれているため、その場で米を潰して作ったきりたんぽよりも型くずれしやすい。