「三朝温泉/鳥取県」
2023年03月28日
第六十話 3月28日は「三朝温泉/鳥取県」
三朝温泉(みささ おんせん)は、鳥取県東伯郡三朝町(とうはくぐん みささちょう)にある温泉。「日本百景」の一つ。2017年(平成29年)時点で、年間入湯客数は鳥取県内では皆生温泉(かいけおんせん)に次ぐ2位。「とっとり梨の花温泉郷」とも呼ばれる。ラジウムおよびラジウムがアルファ崩壊(不安定な原子核が放射線としてアルファ線(α線)を放出する放射性崩壊の一種。)したラドンが含まれており、世界でも有数の放射能泉である。また一部の旅館には高濃度のトロンを含む温泉もある。源泉中のラドン量について683.3マッヘ(放射能の濃度を表す単位)の記録がある。三朝には温泉療法を実施する医療機関が複数あり、温泉は泉質に応じて温泉プール療法、飲泉療法、鉱泥療法など様々な治療に用いられている 。三徳川(みとくがわ)の両岸に旅館が立ち並ぶ。温泉街は三朝橋周辺に広がっており、伝統的な和風旅館が多い。河原風呂(川原の温泉:24時間・無料)」は三朝橋のたもとにある。石畳が敷かれた温泉本通りには、こぢんまりした旅館や飲食店、古美術店、スナック、土産物店、遊技場等が並んでおり、情緒ある温泉街が形成されている。元湯の「株湯」は温泉街を少し離れた静かな住宅街の中にあり、地元住民の利用が多い。本格的な療養温泉でもあり、温泉療法を実施する病院や研究施設がある。また温水床暖房を持った長期滞在者向けの旅館や自炊宿も見られ、観光と療養(湯治)の並立が三朝温泉の特徴である。二十数軒ある旅館・ホテルの多くが、「現代湯治」に対応している。温泉街にある病院での診察と組み合わせたり、ソムリエをもじった入浴アドバイザー「ラヂムリエ」がいたりする旅館もある。伝説によれば平安時代末期の1164年に発見されたという歴史的な温泉である。源義朝の家臣、大久保左馬之祐(さまのすけ)が源氏の再興を祈願し、三徳山三仏寺(みとくさん さんぶつじ)に赴いた折に命を救った白狼が夢枕に立って、楠の老木から湯が湧き出ていることを教えたといわれる。この湯が元湯の「株湯」である。『出雲国風土記』にも温泉に関する記述がある。明治以降、与謝野鉄幹・晶子夫婦、、野口雨情(うじょう)、志賀直哉、斎藤茂吉、島崎藤村など多くの文人も訪れた。温泉名の由来は諸説あり、その一つが「三つ目の朝を迎えるころには病が消える」ことから三朝と呼ばれるようになったという謂れである。