「芦原温泉/福井県」

2023年03月24日

第五十九話 3月24日は「芦原温泉/福井県」

芦原温泉(あわらおんせん)は、福井県あわら市にある温泉。あわら町(あわらちょう)と金津町(かなづちょう)が合併してあわら市が発足してからは「あわら温泉」と表記されることもある。福井県屈指の温泉街として「関西の奥座敷」と呼ばれ、昔から多くの文人墨客に愛されてきた。「名湯百選」に選ばれている。芦原温泉は1883年(明治16年)、農地で利用する灌漑用用の井戸から温泉が湧き出たのが始まりとされる。後発であったが、大正から昭和初期の旅行・観光ブームにのり発展した。1927年(昭和2年)の「日本百景」選出にあたって11か所の温泉が選ばれたが、芦原温泉もその一つに選ばれている。官営三国線(北陸線支線)や三国芦原電鉄(後の京福電鉄三芦線)の芦原駅(現在の、「あわら湯のまち駅」)開業の影響も大きく、1932年(昭和7年)頃には加越温泉郷の中ではトップの地位についている。戦時下で一時閉塞したが、戦後まもなく復活。1956年(昭和31年)に大火に見舞われ300棟以上が焼失し、温泉街は烏有に帰すが、新たな都市計画のもと碁盤目上に区画された温泉街が整備された。もともと、田園地帯で風情が乏しかったため、近代的な建築に庭園の整備や露天風呂などを設え、風情のあるものに再整備された。その後は、落ち着いたたたずまいが人気を呼び、また永平寺の精進落としの湯、関西地方の奥座敷として発展を遂げ、現在に到る。2004年(平成16年)に発生した「温泉偽装問題」では、温泉利用表示に問題がある旅館および源泉の無断開発の疑いがある旅館が複数軒あり、ニュースで大きく取り上げられた。これをきっかけとして、あわら市独自の温泉表示に関する基準が設けられ、それを満たした施設には「温泉表示マーク」を交付するようになった。