「和倉温泉/石川県」

2023年03月21日

第五十七話 3月21日は「和倉温泉/石川県」

和倉温泉(わくらおんせん)は、石川県七尾市にある温泉。泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉。弱アルカリ性(泉源によっては中世)高張性高温泉。無色透明だが塩分は非常に強く、よく温まる。神経痛や関節痛・腰痛などに効能が高い。湧出量は、約2,618t/日(約1,600 ℓ/分)。開湯は1200年とされる歴史の古い温泉で、傷ついた白鷺が癒しているのを漁師が発見したと伝えられる。地名の和倉とは「湧く浦」、つまり湯の湧く浦(入り江)であり、海の中から発見された。そのため、潮が退いている時でないと湯を利用することができなかったが、近世には七尾城主の畠山氏、加賀藩の前田氏によって温泉が整備され、共同浴場が置かれた。温泉地として本格的に開発されたのは明治時代になってからであり、戦後になって交通アクセスの向上に伴い、温泉街も大規模化した。高度経済成長期に入ると能登半島方面に観光ブームが湧き起こり、その後七尾線の電化に伴い特急乗り入れが開始し、急速に宿泊客が増加した。一時は、同じ石川県内の加賀温泉郷や隣県である福井県の芦原温泉と同じく歓楽要素を持っていたが、今日その傾向は薄く、旬刊旅行新聞が主催する「日本のホテル旅館100選」の中で「日本一の旅館」と言われる加賀屋の影響もあって、各旅館とも高級指向を全面に打ち出している。今日では山代温泉(やましろおんせん)と並び、県内温泉地における宿泊客トップを競う形となっている。2007年(平成19年)3月に発生した「能登半島地震」では大半の旅館が被災し、ほとんどの旅館が営業停止となったが、大部分の旅館は同年4月1日までに営業を再開した。