「白糸の滝/静岡県」

2023年02月23日

第四十七話 2月23日は「白糸の滝/静岡県」

白糸の滝(しらいとのたき)は、静岡県富士宮市(ふじのみやし)にある滝。隣接する「音止めの滝」と共に有名な観光地の1つとして知られ、「日本百景」、「日本の滝百選」にも選ばれている他、「日本三大名瀑」に選ばれることがある。国の「名勝」、「天然記念物」。「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として「世界文化遺産」に登録されている。なお、名勝、天然記念物としての指定名称及び世界文化遺産・構成資産一覧では「白糸ノ滝」と表記される。小富士泥流(今から約10万年前の富士山の古富士期と呼ばれる火山活動のうち、特に2〜3万年前の噴出物が堆積した地層の一種。)堆積物の上に白糸溶岩流が位置し、溶岩流の各層の隙間から富士山の地下水が流れ出ている。その様子が絹糸を垂らしたようであることから「白糸の滝」と呼ばれる。水量は毎秒1.5トンで幅200m、高さ20mである。文化財上の「白糸ノ滝」は滝壺だけでなく周辺地も含まれており、「音止めの滝」(およそ徒歩5分)も含まれる。古くより風光明媚な景勝地として知られ、例えば『信長公記』巻十五には「西の山に白糸の滝名所あり」とある。また近世は富士講信者の巡礼地の1つでもあり、滝壺の近くには天保年間に建立された食行身禄(じきぎょう みろく。富士講の指導者)の供養碑が現在も残る。白糸の滝のすぐ上には岩窟があり、そこには「帯の真奈井」という水が湧いている。この水で源頼朝は髪のほつれを直したと伝えられている。また、この「帯の真奈井」は富士講の霊場の1つでもある。白糸の滝は絵画の題材としても選ばれ、その先鞭をつけた人物として池大雅等が挙げられている。大雅の「富士白糸滝図」や「白糸瀑布真景図」では富士山と共に白糸の滝が描かれ、この画題は後の画家に影響を与えた。