「石鎚山/愛媛県」

2023年01月19日

石鎚山(いしづちさん、いしづちやま)は、四国山地西部に位置する標高 1,982 m の山。近畿以西を「西日本」とした場合、西日本最高
 峰である。愛媛県西条市と久万高原町(くまこうげんちょう)の境界に位置する。石鉄山、石土山、石槌山とも表記され、伊予の高嶺とも
 呼ばれる。『日本靈異記』には「石槌山」と記され、延喜式の神明帳(「延喜式神明帳」)では「石鉄神社」と記されている。前神寺(ま
 えがみじ)および横峰寺(よこみねじ)では「石鈇山(しゃくまざん)」とも呼ぶ。石鎚山は、山岳信仰(修験道)の山として知られる。

 「日本百景」、「日本百名山」の 1 つであり、「日本七霊山」のひとつとされ、霊峰石鎚山とも呼ばれる。石鎚山脈の中心的な山であ
 り、1955 年(昭和30年)11 月 1 日、「石鎚国定公園」に指定されている。正確には、最高峰に位置する天狗岳(てんぐだけ、標高
 1,982 m)・石鎚神社山頂社のある弥山(みせん、標高 1,974 m)・南尖峰(なんせんぽう、標高 1,982 m)の総体を石鎚山と呼ぶ。
 石鎚山の頂は、通常は天狗岳のことを指すが、弥山から天狗岳までが岩場であることや、天狗岳に多人数がとどまれるスペースがないこと
 もあり、天狗岳直前(約 200m 手前)の弥山までの登山者も多い。弥山には石鎚神社の鎮座のほか山頂小屋がある。弥山まで 3 箇所の鎖
 場があり、下から「一の鎖」(33 メートル)、「二の鎖」(65 メートル)、最後は「三の鎖」(67 メートル)と続く。「一の鎖」の
 手前に前社ヶ森(1,592 m)の岩峰にかかる「試しの鎖」(74 メートル)があり、これが最も急勾配である。弥山への鎖は近世頃に掛
 けられたとされ、1779年(安永 8 年)に鎖が切れ、翌1780年(安永 9 年)に鎖の掛け替えを行ったとする『石鉄山弥山鎖筋之
 覚』が前神寺旧記に残されている。山頂からは瀬戸内海、土佐湾、見通しのよい日には大山を始めとする中国山地、九州の九重連山まで望
 むことができる。主な登山コースは、石鎚登山ロープウェイ使用の成就社コース、石鎚スカイラインまたは瓶ガ森(かめがもり)林道を使
 用の土小屋コース、面河渓谷(おもごけいこく)コースの 3 つが一般的であるが、ロープウェイを使わないコースとして西ノ川登山口か
 ら夜明かし峠に至るコースや、今宮道から成就社に至るコースもある。成就からの登山道が表参道、面河からが裏参道と呼ばれる。西ノ川
 登山口からのコースで毎年遭難騒ぎが起きているので不十分な用意は禁物である。天狗岳直下には傾斜が強くオーバーハングした北壁が落
 ちており、四国一といってもよいロッククライミングのフィールドを提供している。南西斜面の中の沢・南沢は沢登りのルートとして知ら
 れる。なお、堂ヶ森から二ノ森経由で石鎚山に至る石鎚山脈主線縦走ルートもある。さらに、「石鎚山旧跡三十六王子社」という行場を巡
 りながらの登拝もあるが経験者の案内のもとに行かないと行き着けない。なお、年に一度秋に石鎚神社が登拝会を催行している