「大山/鳥取県」
2023年01月17日
大山(だいせん)は、鳥取県にある標高 1,729m の山。成層火山(ほぼ同一の火口からの複数回の噴火により、溶岩や火山砕屑物などが積
み重なり形成された円錐状の火山のこと。)であるが、活火山としては扱われていない。鳥取県および中国地方の最高峰でもある。角盤山(か
くばんざん)とも呼ばれるほか、鳥取県西部の旧国名が伯耆国(ほうきのくに)であったことから伯耆大山(ほうきだいせん)、あるいはそ
の山容から「郷土富士」として伯耆富士や出雲富士とも呼ばれる。「日本百名山」や「日本百景」にも選定され、鳥取県のシンボルの一つと
されている。大山は中国山地の連なりからやや北に離れた位置にある独立峰の火山で、その裾野は日本海に達しており主峰の剣ヶ峰や三鈷
峰(さんこほう、標高1,516m)、烏ヶ山(からすがせん、標高1,448m)や船上山(せんじょうさん、標高687m)などの峰を
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持つ。山体は東西約 35km、南北約 30km、総体積約 120km 。日本列島におけるデイサイト(火成岩の一種)質火山の中でも最大級の
規模である。広義には南東側に連なる擬宝珠山(ぎぼしやま、標高1,110m)・蒜山(ひるぜん)(上蒜山、中蒜山、下蒜山)・皆ヶ山
(みながせん、標高1,159m)などの蒜山火山群も大山火山の一部とされることが多いが、活動場の変遷からみて蒜山火山群を大山火
山と区別する場合もある。最高点は剣ヶ峰(けんがみね)であるが、剣ヶ峰に至る縦走路が通行禁止とされていることや古くから第二峰の
弥山(みせん 1,709m)で祭事が行われたことから、一般には弥山を頂上としている。一帯は「大山隠岐国立公園」に指定されており、標高
800mから 1,300mは西日本最大のブナ林に覆われ、その上部には亜高山針葉樹林帯がなく低木林や草原の高山帯になっている。山頂付
近に見られるダイセンキャラボクの純林は国の特別天然記念物に指定されている。また、国の鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されてい
る(面積 5,156ha、うち特別保護地区 2,266ha)。周辺の地域では古来からの大山信仰が根強い。現存する最古の記述は『出雲国風土記』
の国引き神話で、三瓶山(さんべさん。島根県のほぼ中央部、太田市と飯石郡飯南町(いいいしぐんいいなんちょう)にまたがりそびえる
大山火山帯に属する火山。「大山隠岐国立公園」の一部でもある。2003年(平成 15 年)の活火山の定義見直しで活火山に指定された。)
と同様に縄を引っ掛けて島根半島を引き寄せたとある。『出雲国風土記』では「火神岳」(ほのかみだけ)または「大神岳(おおかみのた
け)」と呼ばれ、奈良時代の養老年間に山岳信仰の山として開かれたとされる。北西の山腹には大神山神社(おおがみやまじんじゃ)奥宮
や大山寺(だいせんじ)阿弥陀堂があり、明治の廃仏毀釈まで大山寺の寺領とされ、一般人の登山は禁止されていた。登山コースは複数あ
り、北側斜面を登る「夏山登山コース」と「ユートピアコース」が地元自治体により一般に紹介されている。夏山登山コースは佐陀川の源
流となっている行者谷の西側尾根を登り、弥山に至るルートで初心者向きとされている。ユートピアルートは行者谷の東側尾根を経て、標
高 1,516m の三鈷峰付近にあるユートピア避難小屋に至るルートで、上級者向けとされている。弥山から三等三角点地点(1,709.3m)や剣
ヶ峰、天狗ヶ峰(1,710m)を経てユートピア避難小屋に至る旧縦走路は、稜線が両サイドとも崩落しており通行が禁止されている。これは
2000年(平成12年)に発生した鳥取県西部地震以降、山肌の崩落が激しくなって危険なためであり、死傷事故も発生している。