「雪彦山/兵庫県」

2023年01月13日

雪彦山(せっぴこさん)は、兵庫県姫路市にある標高915.2mの山。弥彦山(やひこやま。新潟県)、英彦山(ひこさん。福岡県・大分
 県)と共に日本三彦山(さんひこやま)として知られる修験道の地。「日本百景」、「ひょうごの森百選」、「兵庫50山」、「関西百名山」、「近
 畿百名山」に選定されている。ロッククライミングの名所として知られている。雪彦山については複数の定義が存在する。旧夢前町(現在
 は姫路市に合併)は、雪彦山の定義として、「洞ケ岳」(811m)、「鉾立山」(950m)、「三辻山」(915m)の総称であると定義し、「洞ケ
 岳」山頂にもそのように表記していた。これに対して、国土地理院発行の 2 万 5 千分の 1 地図等では、三辻山を「雪彦山」として、二等三
 角点を置いている。また、登山案内の多くでは、「大天井岳」、「不行岳」、「三峰岳」、「地蔵岳」等の岩峰から構成される「洞ケ岳」の
 最高峰である「大天井岳」(標高 811m)を雪彦山と看做している。さらに、古くは周辺の明神山(みょうじんさん)、七種山(なぐさや

 ま)と三山を総称して雪彦山と呼んでいた、という定義もある。地質は、後期白亜紀の火山岩(デイサイト・流紋岩)である。南麓から夢
 前川及びその支流の菅生川(すごうがわ)が流れ出ている。この一帯は、北方に繋がる峰山と共に、「雪彦峰山県立自然公園」を形成して
 いる。なお、「大天井岳」の標高は長らく 884m とされてきたが地形図からもこれは明らかに誤りであり、測量の結果正確な標高は 811.1m
 であると判明したものの、未だ十分に浸透しているとはいえない状況であり注意が必要である。修験道の行場として知られる雪彦山の南側
 にはこの信仰を支える、賀野神社が置かれている。神社は推古天皇の代(592-628)に法道仙人によって開かれたとされ、雪彦山大権現、雪
 彦山金剛鎮護寺と呼ばれ、神仏習合の形式をとっていた。明治元年の廃仏毀釈により、金剛鎮護寺は廃寺となり、現在は基壇だけが残され
 ている。賀野神社には、廃仏毀釈の年に建てられた入母屋造りの本殿が残されており、姫路市の文化財に指定されている。